鍼治療の起源

鍼治療の起源については実際のところよく解かっていません。
一般的には『中国医学の歴史』(東洋学術出版社)などに書かれているように「へん石」と呼ばれる石を加工した治療用具が鍼の起源だといわれています。
素問医学の世界―古代中国医学の展開 (1976年)』(藤木俊郎著、績文堂)には入れ墨が鍼の起源ではないかという面白い説が載っています。
日本や中国で入れ墨は刑罰として使われた時期も有りますがそれ以前には別の意味合いがあったようです。
北海道のアイヌ民族や沖縄の人達が入れ墨をしていたことは知られていますが、縄文時代の土偶の文様も入れ墨ではないかといわれています。
シベリアのコリャーク族は痛む部位にその痛みを追い払うために入れ墨をしたり、不妊に対するまじないで顔面に入れ墨をしたりしますそういったことから入れ墨から鍼が生まれたのではないかと述べています。
1991年アルプスの氷河で見つかった約五千年前の男性のミイラ(アイスマン)にはちょうどツボの位置に入れ墨があるのが見つかっており、鍼治療の痕ではないかともいわれています。
私は個人的には入れ墨という行為そのものには否定的なのですが、鍼の起源として考えると面白いなと思います。
へん石は膿を出したり瀉血などに用いられるどちらかというとメスのような形で単に刺入する一般的な鍼とはすぐに結びつかない気もします。
(もちろん古代には九鍼といって、現在一般に使われる刺す鍼の他に膿を出したり瀉血の為に切り開く鍼や刺さないでツボを刺激する鍼などいろいろ有りましたから鍼の起源の一つの流れであることは間違いないとは思います。)
薬草を使った治療法は世界各地で生じていますが、鍼治療は他の地域には生まれず何故中国にだけ生まれたのか?私はずっと疑問でした。
入れ墨の文化は世界各地にありますので、もし入れ墨が鍼治療の起源だとすれば世界各地に鍼治療の痕跡があるということになります。
だとすれば他の地域では何故鍼治療の文化が発展しなかったのか?考えてみると面白いですね。

(2010年2月に紹介)

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